ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

少女マンガの話をしようじゃないか

わたしはマンガが好きだ。
ヲタクなんだから当たり前だろうと思うかもしれないけど、少年マンガや青年マンガはあまり数多くは読んだ事がない。話題のハイキューや黒バスやペダルも読んだは読んだけど、あんまりハマらなかった。DEATH NOTEやホイッスルなどうっかりダダハマりしてしまった例もなくはないが、基本的には少年マンガを読まない。自慢じゃないけどワンピースは3巻までしか読んだ事がない。エース?シャンクス?誰?
わたしはマンガが好きと言うよりも少女マンガが好きなんだと思う。

なんでいきなりこんな話を始めたかって、先日発売のダヴィンチが「最強りぼん世代 少女マンガ特集」だったのだ。中身も大して確認せずに一目散にレジに向かった。
この特集によると、りぼんは1994年に少女マンガ誌の史上最高部数である255万部を売り上げたらしい。一番りぼんに勢いがあった時代に、まさにわたしはりぼんっ子だったのだ。今回の特集で思い出を語ってる人たちよりは少しわたしの方が若いと思うけど、ほぼかぶってる。あんまり深い話をすると年齢ばれるけど。でもわたしのりぼんっ子時代ものすごい長いから、案外若い世代とも語れると思うよ。

わたしが初めてりぼんを読んだのは小学2年の時、6月号だったと思う。当時20代後半だった叔母さんが、なぜか買い与えてくれた。コマの読み進め方なんて誰に習った訳でもないのになんで人ってマンガが読めるようになるんだろう。(うちの父は未だにどっちに進んだらいいのかわかんないからマンガは嫌いだと言っている)確かその頃はこどものおもちゃないしょのプリンセスご近所物語が連載してた。たまたま最初に読もうと思っただけだけと思うけど、多分人生で一番最初に読んだマンガってこどちゃなんだ。こどちゃはたしか剛くんが学校に来てなくて紗南ちゃんと羽山が二人で剛くんちに行く回だった。ご近所はバディ子とツトムが別れたって話を皆が食堂でしてる回だった。やばいめちゃくちゃ覚えてる!!なんか、ものすごく新しい世界だった。絵本ともアニメとも違う新しい世界。マンガって子供が欲しいと言わないと親から買い与えられることってないよね多分。この時なんで叔母さんがわたしにりぼんを買ってくれたのかはわからないけど、なんかすごく電気みたいなのが走ったのを覚えてる。なんかよくわからないけどマンガってすごいって。

小学校低学年の時、わたしのお小遣いは500円だった。りぼんは400円だった。りぼんを買ってしまうとその月はお友達とかわいいシールを買って交換したり駄菓子やさんに行ったりする事が出来なかった。だから近所に住んでいるの叔母さんの所にわたしは足繁く通い、母の目を盗んでりぼんを買ってもらっていた気がする。わたしはりぼんを叔母に買ってもらっている事を母に隠せてる気満々だったけど、500円しかお小遣いを貰ってないのにりぼんを手に入れなおかつお友達とかわいいにおい玉やねりけしを買ってるのを見たらどう考えてもバレバレである。おろかな小学生だ。
小学校高学年になるとお小遣いが1000円にあがる。やっとどうにか自分でりぼんが買えるようになる。それでも収入の4割がマンガ。手取り20万の人なら8万をマンガに使う。そう考えるととんでもない金銭感覚である。

高学年になるとマンガを読むことと、マンガ好きの友達とオリジナルマンガを描く事が何より楽しくなる。これで立派なヲタクの完成である。学年で一番絵が上手かった友達は高校生のお姉ちゃんがいて家にお姉ちゃんのマンガが山ほどあった。天国だった。その子と進研ゼミの赤ペン先生のポイントをためて、漫画家セットをゲットした。原稿用紙もペンもトーンも揃って、ただのノートの落書きじゃなく「本格的」にマンガを描くと言う他の子とは違う事をするのが何よりステータスだった。ちなみに二人のデビュー作は「爽やか色の毛糸」。なんだそれ。学年一成績の悪い男の子が補修として南の国にとばされてそこで出会う褐色の肌の女の子と恋に落ちる話だった気がする。我ながらなかなか斬新だ。ちなみに一緒にマンガを書いていたその相棒は現在カメラマンの男性と結婚し一緒に全世界を回っている。同じ小学生時代を歩んだはずのわたしは、未だに若手俳優にキャッキャしている。悲しい。

大体ヲタクや腐女子になる人間はりぼんや仲良しから花ゆめへ、そしてジャンプへ、そんな段階を踏んで立派なヲタクに成長していく。しかしわたしはジャンプ系の同人誌に手をだし始めても、少女マンガへの熱は冷める事が一切なく、少女じゃなくなった今でも相変わらず日々少女マンガを読み続けている。
小学校、中学校時代は高校生のラブコメディを読んでわたしもこんな高校生活送りたいな♪と言う気持ちになるのだが、中学の途中で突然BLに目覚め、二次創作の存在を知り、中学を卒業する頃にはコスプレを始め、わたしは完全に俗に言うクソ腐女子レイヤーになってしまった為、幼き日に夢見ていたハッピー学園ライフは一切送れずに大人になってしまった。
それでもいつかはきっと、遅刻しそうな日の朝街角でイケメン転校生とぶつかる日が来たり、学年一頭がいいイケメンと学年一運動神経がいいイケメンが自分を取り合ってくれる・・・そんな事を信じながら高校を卒業し、大学生になり、社会人になってしまった。

きっと幼い頃、それこそ本当に「少女」だった時に少女マンガに夢中になっていた女子はたくさんいるだろう。でもきっと、青春時代に色々な恋愛をしてきて、あぁ昔マンガの中で見た世界はマンガだったんだなぁと現実と向き合い大人になっていく。でもわたしにはそれがなかった。彼氏が出来ても、9歳の時から共に過ごしてきた大好きな大好きな少女マンガの世界に勝てる人がいなかったし、その記憶を打ち消し現実に軌道修正するほどの恋愛をする事が出来なかった。周りにはマンガみたいな出来事がたまに起こってるし、やっぱりこの世界が悪いのではなく私自身に落ち度があるんだろうとこの年になって猛省するばかりだ。自分に起こった少女漫画のような出来事と言えば、終電の終わった池袋の街を徘徊していた時に声をかけてきた男が幼なじみだった事くらいだろうか。・・少女マンガではないか。

色々考えた結果、以上のような事が原因でわたしはもうとっくに少女ではないのに少女マンガの世界から卒業する事が出来ない。しかも、マンガはマンガと割り切っているならともかく、多分心の隅っこのどこかではまだいつか王子様が的な事を考えてしまっているから厄介なのだ。勿論、少女マンガを卒業出来ない大人が全員そうな訳じゃないが、少なくともわたしの周りの少女マンガ好きはそんな傾向が強いように思える。

わたしは通勤中にジャンプを読んでるサラリーマンを見ると癒される。この人はこの年になってもまだジャンプを買っているんだ、友情努力勝利のスピリッツを忘れない少年なんだと。
でも、逆はどうだろう。通勤中に、わたしがりぼんを読んでいた場合、多分誰も「この歳になってもりぼんを読んでるなんて、この女性は少女のような心を持った純粋な方なんだ」とは思わない。むしろ、「ババァのくせに何りぼん読んでるんだこいつ気持ち悪いな」と思われるだろう。そりゃそうだ。わたしも、ポニーテールとは言いがたい適当に一つにくくったボサボサの黒髪にめがねのおばさんが電車の中で少女漫画(花ゆめ率高し)をニヤニヤしながら読んでる姿を見たら同じ事を思う。そのくせ自分は、出勤前に手に入れられるよう近所のセブン-イレブンに発売日当日の朝6時に受け取れるようにアオハライドを予約し行きのバスの中で涙を流しながら読んだり、きょうは会社休みますを読みながら電車の中でひたすら田之倉くんにニヤニヤするどん引き行為を繰り返している。
男性が少年誌を読んでいても全然なんとも思わないのに女性が少女誌を読んでいるとなんとなくウワァ・・と言う気持ちになっちゃうのはなぜだろうか。逆に、女性がワンピース読んでても別になんとも思わないのに男性が君に届け読んでたらウワァ・・と言う気持ちになるのもなぜだろうか。考えれば考える程、少年漫画より少女漫画の方が世の中で形見の狭い存在なのではないかと感じる。なんでかなぁ。

腐女子の仲間の中でも少女漫画を読んでいる人が極端に少なくてわたしはとても寂しい。ジャンプ作品の誰と誰がホモだったと言う話も好きだけど、わたしは恍派か冬馬くん派か真剣に討論したり、高校生に戻れるならどの漫画の誰を彼氏にしたいか一晩中語りあかしたり、風早くんみたいな男がいるから日本の男子はどんどん草食化していくんだと日本のい未来について考えたり、そんな事をしたい。
皆わたしが「あんまり少年漫画読まないんだよね、少女漫画ばっかりで」って言うと「少女漫画()」って空気になる。確かに少女ではないわたしが少女漫画読むのは痛いかもしれないけど、少年漫画読んでるって性別すら違うからな。少女漫画に胸躍らせるババァを侮蔑するのはよしてくれ。君たちの推しCPが本誌でセックスする可能性よりわたしが少女漫画のようなイケメンと付き合う方がまだ可能性が高いのではないだろうか!!!!!

世の中の女性に少女漫画を強要するつもりはさらさらないが、中学高校時代に腐女子になってから少女漫画から遠ざかっている人、少女漫画を少女時代に卒業してしまった人、是非もう一度少女漫画を読んで欲しい。本当に素晴らしい世界だと思う。現実と仮想世界の分別がついていないわたしのような人が読んでしまうといつか王子様が症候群になってしまう危険があるが、大体の女性はそんな事なく日々のストレスを癒す存在として風早くんの事も恍の事も鬼瀬くんの事も恭也くんの事も(以上全てマーガレット男子)受け止められるはず。

最近の男子(特に集英社男子)は本当に好みの子が多すぎて困るけど、どんな素敵なイケメンが現れたとしても、わたしの中のNO1少女漫画男子は羽山秋人である。
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彼はとにかく色気がすごい。意味がわからない。12歳です12歳。どうかしてるぜ。どうかしてるのはお前の方だと言われ続けて10年、彼の色気が世に認められた瞬間がやってきた。春に発売された進撃の巨人兵長が表紙だったananの漫画特集の「抱かれたい男ランキング」になんと羽山がランクインしてるではないか。12歳。anan読者の女たちは、12歳の羽山を性の対象として見ている。こうして字にするとなんとも恐ろしい事実なんだけど、本当に羽山はすんごいんだって。ツンデレ男子の先駆け的存在。今ツンデレ好きをこじらせてる人を形成する原因となったキャラは大体流川楓道明寺司か羽山でしょ?あとベジータ
複雑な家庭環境を抱えていた影響もあり性格がひん曲がってしまい、クラス内いじめや学級崩壊の中心的な存在だった羽山。でも、自分が今まで寂しい思いや悲しい思いをしてきた分、人の痛みとか傷にものすごく敏感で、底抜けに明るい主人公紗南の心の傷にいち早く気付いてあげられるものすごく優しく素晴らしくそして何よりあの悲しい家庭環境を背負ってるが故の色気?がたまらない小学生の男子。ものすごく簡単に説明するとそんな感じ。
そんな心の傷を抱えた小学生二人がお互いに惹かれあって、世の中の大人に振り回されて、成長していく物語がこどものおもちゃ。傷ついた紗南に言った「泣きたくなったら、俺んとこ来い」は多分あと20年くらいしたら歴史の教科書に載るくらい名言だと思う。昔泣きたくなった時に羽山のとこに行こうと思ったけどどこに住んでるかすらわからず断念した。あと泣きたくなったら俺んとこ来いは紗南ちゃんに言ったのであって決してわたしに言ってくれた訳ではない事に気付いてしまった。
泣きたくなったら俺んとこ来い男子はいつでも募集中。

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ちなみに2年前に描かれた続編のこどちゃでは無事に紗南と結婚しています。
12歳の羽山もかっこよかったけど、25歳の羽山はもう・・・吐くほど素敵ですね。


誰も聞いてないけど、今度わたしの好きな二次元男子ランキングやろ。
あー楽しい。
やっぱり少女マンガって素晴らしいね。