ポンコツ女の大行進

気付けば妙齢の若手俳優ヲタク。

単推しの美学とは

先日、SOLID STAR プロデュースVol.1「ミニチュア!!」を見て来ました。
この作品は、ミュヲタの皆様ご存じのSEPで男子ingやポチッとな。の脚本演出を手掛ける
白柳力さんが、自身主宰の「こちらスーパーうさぎ帝国」の本公演の為に書いた作品です。
それを他の主宰によって再演と言う形でリメイク?パワーアップさせたものです。
わたしは1年前の劇団の公演を見ています。大好きですこちうさ。
こちうさの事は今度別エントリーでゆっくりと語りたい。

今回は無理やり平野くんを主役にした感はありましたが、基本的にこの作品の主役はいません。
とある小さな街が主役で、街の住人全員が主役であり主役でないと言うか。
そんな街の住人の1人として、今回半ば強引に主役になっていたのがドルヲタの昭島と言う男です。
昭島はパッとしないサラリーマンです。
お寿司やお弁当に入れるバランあるじゃないですか。あれの訪問販売の仕事をしています。
あれの飛び込み営業とかもう仕事が上手くいかないのは絶対に彼のせいじゃないですよね。
仕事もプライベートも何も楽しい事がなく、生きる希望を失ったサラリーマンです。

そんな彼がこの街でふらっと入ったライブハウスで突然出会ったのが地下ドルの日野あいこです。
ひのりんとの出会い、そして今までを興奮気味に語る昭島は
テニミュ終演後のTDCホール前で鼻息荒くはしゃいでいるわたしたちそのものでした。
ひのりんは、17歳と公言してたけど実は全身整形の30歳のおばさんで、
それがヲタにバレて炎上してどんどんヲタが減っていってしまいます。
年齢詐称、整形、炎上・・全部わたしたちがよく耳にする言葉ですね^^^
『地下アイドルは一度ファンの信用を失うとそれを取り戻すのが難しい』みたいな台詞がありますが
2nd立海の皆さん聞いていらっしゃいますでしょうか!!!と言う気持ちでいっぱいでした。
裏切られたとどんどんヲタが減っていく中、昭島だけはひのりんを応援し続けました。
嘘をついていた事を許して戻ってきたヲタもいましたが、
結局段々ひのりんに飽きて最後は全員もののふやスマヲタになっていました。

そんなひのりんの引退ライブが、この小さな街の小さなお祭りの小さなステージで行われました。
キモヲタ昭島は、「案内チラシに一週間前の場所取り禁止って書いてありますか?!?!」と
ヲタクにありがちな屁理屈をごねながら一週間前からステージの最前を陣取りました。
(結果追い返されていましたけど)

ライブ当日、当時一緒にひのりんを追っていたヲタクたちが最後くらい見届けてあげたいと
会場に現れました。当時のリーダー的な人に昭島が仕切りをお願いすると、
「今日はお前がリーダーだ」と最前どセンをヲタクたちが昭島の為に空けてくれます。
特別な現場だからってただひたすらにひのりん単推しを貫いた昭島に最前譲ってくれるDDの皆さん。
なんてくそ優しい方々なんでしょうか。
わたしは女の子を追った事がないので実際に女アイドルの現場がどんな感じなのかはわからないけど
恐らく俳優ヲタの現場ではありえない美しい描写で、リアルかどうかは置いといて甚く感動しました。
ひのりんが歌を終えてヲタクとハイタッチして、最後昭島と握手しながらありがとうって泣いてて、
もう本当にわたしは涙が止まりませんでした。
握手をしてもらったのが昭島だけだったけど、きっとあそこにいる他のひのりんヲタは
ずっと一途にひのりんだけを追っていた昭島に与えられる当然の特権だと思ってそれを受け止めていた。
わたしたちの世界じゃありえないですね。あいつだけずるいふじこってなりますよね。
多分白柳さんは実際のドルヲタにはあまり詳しくないんだろうなぁと思います。
実際はきっと女アイドルの現場だってこんなに美しい推しかぶり友情なんてめったに存在しないと思うし。
リアルかどうかはわかりません。多分リアリティはないんだと思います。
それでも、この作品の中で単推しが正義で、単推しが美しいとされていた事によって
わたしは自分のやってきた事を肯定して貰えた気持ちになって、すごく幸せでした。

単推しが正解だなんて、単推しの方がすごいとは思っていません。
そもそもこの作品だってDDが悪いなんて表現は全然なかったし、今はももクロやスマのヲタクなのに
昔追ってたひのりんの現場であそこまで一糸乱れぬ団結力を見せ盛り上がって、
終わったらしれっと他アイドルの現場に戻っていくヲタクたちの姿には関心しました。

わたし個人としては、今はDDが出来ません。
金銭的にも気持ち的にもそんな余裕がありません。
DDって自分にとって同じくらい魅力的な人が複数存在した場合、そうなるんだと思うんですが
今のわたしにとって林くんと並べられて悩むような役者はいません。ここ笑うとこです。
で、好きになったらちょっとづつは出来ないので、
単推しだったら10回見に行ける舞台を、3人の推しの舞台3回づつとかそういう事が出来ません。
でもきっと真のDDの人は3人の舞台を10回づつ行くんだと思います。わたしには金がねぇ。

嫌味でもなんでもなく、同時に沢山の人を応援するのってすごい事だと思います。
推しの舞台見に行って、共演してる子見て誰あれ!好き!ってなる事はわたしもしょっちゅうですが、
その舞台を見終わった後からその子も推しになるんです。
それを繰り返して推しファームに役者を増やしても、そこからリストラされる人はいないんです。
いくら敷地面積あっても足りないと思うけど、そうやって複数の役者を飼っている人が
わたしの周り含めて沢山いるので、器用だなと思います。
推してる役者の舞台スケジュールがドンかぶりで青ざめ、でもどちらかを贔屓する訳にいかないからって、
平日はAくんとBくん交互に見に行き土日はマチネはAくんに捧げソワレはBくんに捧げる、
そこまで平等を貫いて全力な彼女たちをわたしはSDD(すーぱーでぃーでぃー)と呼んでおります。
それはそれで一つの美しい姿だなって思っていつも応援しています。

単推しは至ってシンプルです。
特に説明する事もないです。
というか、そもそもこの作品で描かれる程美しいものではないと思います。
彼がいなくなってもあなたにはあの子がいるでしょ、わたしにはこの人しかいないんだもん!!!
そういう独自の意味不明な理論を展開します。わたしの場合は。
DDは、きっとファームの中の誰かが問題を起こしたりこの世界を去っても生きていけます。
でも単推しは唯一無二のその人が逮捕された日には、多分立ち直れません。
単推しは脆弱すぎます。ほら、青学の柱は二本あるじゃない?
恐らく生活に支障をきたすと思うのでわたしは保険をかけたいと、ここ数年ずっと思っています。
(四代目黄金に平等に愛を注いでいたゴールデン推しの方は、単推しじゃないのに多分今死んでますね。
辛いですよね。でも大丈夫です、世の中にゴールデンペアはまだまだ沢山いますよ!)

わたし自身は単推しなので、今回の描写に対して不快感は全くなかったのですが
各ジャンルのDDの皆さんが見たらどう映るのか大変興味深い内容だったと思います。
単推しこそがヲタクとしてあるべき姿だと言うのは極論だと思いますが、
わたしは身の振り構わず一人の役者に猪突猛進な身の回りの友達を見ているとやっぱり素敵だなって思います。
怖いけど。血相変えてて怖いけど。推しの言動で一喜一憂してて怖いけど。
でも人間らしい生活を送りたい場合はやっぱり愛情をいくつかに分けておいた方がいいなって思いました。

「来いよ素晴らしきDDの世界に!」
「俺は本当は誰だっていいのかもしれないこの退屈な現実やどうしようもない自分を忘れさせてくれる存在なら誰だってよかったのかもしれない。
それでもやっぱり君が好きなんだー!!」
わたしは昭島のこの台詞に全力で同意しながらスペース107で号泣したのでした。

散々書いててアレですけど、単推しとDDの違いとメリットデメリットについて一般人に熱弁したら、
「よくわかったけど単推しもDDもヲタクはヲタクだから、そのへん自覚した方がいいよ」
って、割とリアルなトーンで言われました。一般人畑から見たらわたしたちなんて全部同じですね。
うたプリにきゃーきゃーしててもミュキャスにきゃーきゃーしててもジャニーズにきゃーきゃーしてても
単推しでもDDでも古参でも新規でも、結局ヲタクはヲタク。
人権を獲得するにはまだまだ時間がかかるようです。