ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

追っかけなんて3年持たない

3年過ぎたら思い出に引きずられるだけ、3年過ぎても変わらなければ本物ねって?
マグダラの歌に「恋愛なんて3年持たない」てのがあったね。

テニミュデビュー(厳密に言えばテニミュより前の仕事もあるんだけど)からこの夏で丸7年。あの日あの時あの場所で君に出会ってから7年。ただひたすらに追い回してきた。
別に全作品全通とかしてる訳じゃないし、テニミュも出来る限り地方回ったけど全地方行ってた訳じゃないし、そのあたり全通無欠席の人からしてみたらまだぬるいのかもしれない。それでも大学生だったわたしは、バイトと授業と課題(専門的な大学だったので死ぬほど課題まみれだった)に追われながら、隙間時間をほとんど俳優の追っかけに費やしてきた。オクを使う金銭的な余裕はなかった。恥を承知で知り合いや身内に名義を借りて、時にはぴあ店頭に徹夜して、大人なら金で解決するする所を時間と手間で補ってなんとか同じ土俵に立とうと頑張っていた。
社会人になってもその貧乏癖が抜けなくて、共同戦線張ったり交換を重ねたりして出来る限り定価で、なおかつ良席で彼を観る事に全力を尽くした。忍ミュなんかはコツさえつかめば定価で良席を確保する事は簡単で、調子のいい時だと10公演中8公演くらい定価で最前に入れたりもしたものだ。
誕生日プレゼント、クリスマスプレゼント、バレンタインプレゼント、千秋楽祝い、こまごまをしたプレゼントを丸7年続けてきたと思うとそこだけで総額いくらになるのって話だし。わたしが社会人になると言う事は一緒にヲタクやってきた友達も皆社会人になり、いい大学出てそこそこ大手に就職した友達なんかは誕生日に10万くらいするブランドものをポンとあげたりしてて、それに釣られてリミッターが外れた時期もあったなぁ。

この数年間、わたしにとっては俳優の追っかけが人生において一番の優先順位だったし、急なイベント発表にも耐えられる仕事環境で、チケ代が嵩む月は自分のご飯さえまともに食べられなくても別にかまわなかった。美味しい物を食べる事よりも、舞台で彼らを観ている方が自分にとってはプラスだったし幸せだったからそれでよかった。
でもその優先順位が、8年目に突入した今やっと1位じゃなくなってきた。遅すぎ。高校生の頃テニミュに出会って、こんな事に時間とお金使うのは大学卒業までにするんだーって思ってた。けどそこから何年延長してきたんだろう。22歳の時に足を洗っていればきっとこんなババァにならずに済んだはずなのに。

テニミュから、1作品も観なかった事はなかった。イベントは参加してないものもいくつかあるけど、彼が演じる役は今まで全部観てきた。それがわたしの中で厨でいる事の最低条件だった。それはもう俳優ヲタとしての義務と言うか、「行きたい・観たい」ではなくて「行かなきゃいけない・観なきゃいけない」の領域で、共演者に大嫌いな人がいようと、脚本とか演出が全く好みじゃない人だとしても、興味の無い原作モノだとしても、厨と名乗る限り1回は観る事が自分のルールだしそれが義務だと思っていた。だからどんなに忙しくてもつまんなそうでも7年間1回は必ず観た。

この前、7年間で初めて見に行かなかった。
もっと色んな躊躇とか葛藤があるのかなって想像してたけど他の事に夢中になってたら気付いたら終わってた。主演だったのに、座長公演だったのに、皆勤賞で続けていた事を放棄するのがこんなにあっさりしたものになるなんて思ってなかった。
1回サボっちゃえばもう10回サボっても100回サボっても気持ちは変わらないし、もうこれからは死に物狂いで時間を確保して無理やり観劇しなくて済むんだと思うとほんとにすっきりするし、見に行く事が義務になりすぎて2時間中1時間45分意識ないですみたいな失礼な事にもならなくて済む。

別に厨を卒業します!とか担降りします!って訳じゃなくて、行ける時、見たい時だけ自由に行くスタンスに戻る事にしただけ。
これでもう、同じくらい通ってる、同じくらい貢いでるヲタクを勝手に敵視して嫉妬する事も減るだろう。よく新規やぬるヲタが古参贔屓しすぎってキレてる事あるけど、長い間通ってる、沢山見にきてる、沢山投資してるヲタクがいい思いしたりお金と時間と労力をかけた分だけ還元されるのは当たり前だと思うから自分がそういうヲタクじゃなくなった時点で良対応を貰っている他のヲタクと同じ土俵に立てなくなるから、張り合う必要がなくなる分気持ちは楽になるだろう。

わたしが彼のヲタクを辞める時は多分乗り換えじゃなくてヲタク自体を辞める時だって散々宣言してきたけどやっぱり本当にそうなった。
でも別に嫌いになった訳でも飽きた訳でもないから今でも一番好きな俳優な事には間違いないし、また優先順位が逆転した時には年甲斐のないおっかけばばぁに戻ってしまうかもしれないなぁ。

半年振りに口をきいたらどうやら彼はわたしが仕事が忙しいから最近現場に行けないんだと思っているようだ。転職をした事もその後大変な思いをしてる事も全部知っているから喋る機会がある度に仕事の事を心配してくれる優しい人だ。
別に仕事は忙しくないんだけど、本人に、お前に割く時間がなくなっただけだよなんて伝える必要はないから、このまま仕事が大変な人って事にしておこう。

今までハマった若手俳優はものすごく短いスパンで飽きてきたから2008年にあの人に初めてハマった時もどうせ1年くらいで飽きるだろうと思ってた。ヲタクになってから1年目、2年目、周りからもずっとこんなに続けるなんて奇跡って言われ続けてきた。そしたらあっという間に7年。7年って・・・引くわ・・・・
彼氏でも7年も続いた人いないし、色んな意味で奇跡の人だと思う。

これからも少しだけ離れた場所で活躍を見守っています。
甘やかして欲しくなった時だけ会いにいくね。