ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

唐突映画レビュー/SUNNY 強い気持ち・強い愛

前はよく色んな作品のレビュー書いてたんだけど(よかったら過去エントリー見てね)このペースで観てるとなかなか難しく最近はサボり気味。
でも掲題のSUNNYがとってもよくて。
なんかもう、めちゃくそに良くて。
映画のキャッチコピー通り、まさに青春と再会してしまった。

嫌いな人も多い大根仁監督作品だし、ターゲットが極めてピンポイントな内容だから万人におすすめする訳じゃないんだけど、自分の昔話大好き芸人としてどうしても過去の話をしながらこの映画を語りたくなってしまった。

あらすじ

日本中の女子高生がルーズソックスを履き、空前のコギャルブームに沸いた90年代、そんな時代に青春を謳歌した女子高校生の仲良しグループ「サニー」のメンバー6人は、20年以上の時を経てそれぞれ問題を抱える大人になっていた。 専業主婦の奈美は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香と再会するが、彼女は末期ガンにおかされていた……。
「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。
芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。
裕子、心、梅、そして奈々……、かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?
夢と刺激で溢れていた高校時代と、かつての輝きを失った現在の二つの時代が交差して紡がれる物語は、
ラスト、“強い気持ち”と“強い愛”によって、予想もしていなかった感動を巻き起こす!!

90年代後半(97年、98年あたりかな?)に16歳だった女子高生が主人公だから、わたしより若干上の人がどストライク世代だと思う。
でも当時街やTVでずっと流れてた渋谷系TKサウンドの嵐で映画のどの瞬間切り取ってもエモ~~~って感じだった。
ティセラのCMとか、世代の人は字面だけでやばくないですか?
とは言っても多分わたしのブログを読んでくださっている人は圧倒的に20代が多いのだろうとは思っているんだけど。
三十路以上の人は普通に音楽映画としても楽しめると思う。
charaのやさしい気持ち流れるシーンが絶妙すぎて笑う。

あとキャストも最高!!!
板谷由夏がやってた役、真木よう子がやった方が合っていたのでは、、て思ったら元々真木よう子だったんだね。板谷由夏も合ってたけど。
大人キャストとJKキャスト、めっちゃシンクロしてる訳ではなかったけどなんかわかる!って感じでよかった。
ともさかりえとか小池栄子の現代にもバブルの気配残っちゃってる美魔女感も申し分なかったし、何より関西の田舎から突然都内のギャル高校に転入してきちゃった広瀬すずの芋っぽい感じを残して平凡な専業主婦になる大人の篠原涼子の普通感がとってもよかった。

そして唯一のうちの畑界隈の出演者、三浦春馬
顔立ちが現代だからロン毛姿と当時のファッションが合わな過ぎて本当に出てきた瞬間吹いた。ロン毛あんなに似合わないイケメン俳優とかいる?!?!
春馬×すずなんてときめく以外何でもないはずなのに二人のシーンちょっと面白くて笑った。

 


わたしはまだ小学生で、映画で描かれていた渋谷で常日頃遊んでいた訳ではない。
お小遣いで遊びに行けるのは渋谷じゃなくてチャリ吹っ飛ばして15分のヨーカドーで、eggも自分たちでは買えなくて、あの世界に憧れを抱きながら自分たちでピチレモンやマイバースデーを買っていた時代。
でも、生まれ育った街が月曜から夜更かしで特集されるような治安の大変悪いところでして、周りにそういうお姉さまがたが多かったのもあると思うけど、多分そんじょそこらの小学生より渋谷ギャルへの憧れは強かったように思う。

小5でルーズソックスをはくと小6の先輩にしめられるから、小5までは市販の靴下のリブ部分のゴムを裁縫道具で抜いてはいていた。
小6になると完全に小学校の天下を取った気になったわたしたちは、お小遣いを片手にスーパーの二階で1mのルーズソックスを買った。
ソックタッチを買うのはもったいないからスティックのりでとめて、いつだってスネはガビガビになった。

りぼんの巻末についている広告を見ながら皆でサン宝石で150円くらいのアクセを爆買い。どこかの民族かってくらい、ただのハリガネで出来たほっそいブレスを20本くらいヒジまで重ね付けしてた。

休日は朝11時~夜19時まで8時間フリータイム380円の激安カラオケに入り浸って、モー娘やポケビブラビの歌を毎週毎週飽きずに歌った。(そのカラオケ店はわたしが高校生くらいになった時に後輩たちのタバコの不始末で火事→閉店になった。一生許さぬ)

スマホどころかピッチですら持っていたら羨望のまなざしの時代。
田舎の小学生は勿論買って貰える訳なんてなくて、放課後FAXを使ってメッセージのやり取りをしていた。
写真だってディスカウントストアで買った使い捨てカメラをクリーニング屋さんで現像してもらってポスカで直接落書きしてた時代だよ。
snowなんてもんはねぇよ。ありのままで勝負してたんだよ。

mejaneのショッパーなんて今の子は知らないだろ?
あのショッパーが欲しくて800円のハンカチを買ってハンカチ何枚入るんだよってサイズのショッパーに入れてもらってお会計してたんだよ。
mejane今全く聞かないなと思ってぐぐったら109にはまだ店舗があった!やばい!

 

年齢と生きていた土地が違くても、映画の中の主人公たちとあの頃のわたしは紛れもなく同じ時代を生きていた。
広瀬すず演じる奈美が東京の高校に転入してきたあの頃、小学生だったわたしは東京の端っこに確かにいた。
とにかくこの映画の全てが懐かしくて、『自分たちがこの世の中心だ』と勘違いしていた一番楽しかった時代に引きずられた2時間だった。
楽しかった、感動したと言う感情とは別に、EDが終わって映倫のマークが出て現実に引き戻された瞬間に、あの頃を生きていた自分の気配が今の自分にはなさすぎて泣けてきた。わたし何をやっているんだろうって。
地元でいきってたクソガキの頃に比べたら今の方が数ミクロンは社会の歯車になっているはずなのに、あの頃よりも今の自分の方がよほどちっぽけな存在に感じる。
いつから下らない事に笑えなくなったんだろう。
なんか今の自分がしょうもないなぁって事を自覚してしまう切ない作品でもあった。

あとは、あの歳になってもすぐのあの頃に戻れるいつメンがいるのって本当に羨ましいなぁと思った。
友達皆無ではなかったけど親友って呼べるほど親しい子は人生で全然いなくて、わかりやすく言うと結婚式には呼ばれるけど友人代表スピーチを頼まれるような間柄はいないって感じ。
だからSUNNYのメンバーたちが本当に羨ましかった。
あの人たちはあれをきっかけに再会してきっとあの後は死ぬまでいつメンでい続けるんだろうなぁって。
同世代でインスタのストーリーで「いつメンなう~ww」みたいな居酒屋の動画とかあげてる友達の事、わたし「いい歳こいて元気だな・・」っていつも少しバカにしちゃってるんだけど、同じ事が出来る友達がいないからひがんでるだけだなって心底思う。
いつメンなうが出来る友達欲しかったな。悲しみ。

 

ターゲットがピンポイントだからかわからないけどキャストがあそこまで豪華で結構大々的にプロモーションやってた割にはあんまりヒットしなかったなと言う印象。
まだやってる劇場いくつかあるみたいなので興味わいたら是非観て欲しい!!!