ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

唐突映画レビュー/今夜、ロマンス劇場で

今夜、TVで放送されるみたいですね。
2年前の春かな?わたしは劇場鑑賞済ですが感想を書いていなかったみたいなので眠れぬド深夜、地上波放送に合わせて少しだけ感想を。


映画が好きじゃないと作れない作品だと思った。
それと同時に映画館が好きじゃないと感動出来ない作品だとも感じた。
映画館って空間が大好きで、人生で何度も忘れられない映画に出会ってきたわたしには心に沁みすぎた。
途中までは予告から受ける印象通りだし、まーよくある感じね…って思って観てたんだけど、最後の数十分で予定外の展開に。
めちゃくちゃ泣いてしまった。

健二のようにずっと同じ登場人物に恋する事はないけど、映画館に行く度に新しい恋をして、映画館に行く度に少しだけ生き方が変わるわたしにとってはものすごく感情移入出来る作品だった。
改めて、わたしは映画好きってより映画館が好きなのだと感じさせられた。
映画好きではなく映画館好きなのかもしれない - ポンコツ女の大行進

モノクロの世界と対比的に描くので、街並みや登場人物たちの服装もコントラストがとても鮮やかでため息が出る程だった。
健二が美雪と出会った頃の戦後の日本は現代より余程カラフルだったなぁと。
綾瀬はるかも本田翼もあの時代のレトロな服装が本当に似合っていて可愛かった。

坂口健太郎、申し訳ない事にあまりイケメンだと思った事はないんだけど(と言うか単純にわたしは目元きつめのゴリラ顔が好きなので塩顔男子が全くハマらないだけ)、どんな役やっても緻密に上手いなぁと思う。
北村一輝柄本明もさすがの存在感でとてと素敵だった。

綾瀬はるか様はもう昔から贔屓してしまうので言うまでもなく。
どんなに可愛くて細くてお芝居の上手い女優さんがこの先どんどん出てきてもわたしの中では永遠に憧れの存在。
綾瀬はるかって特別あの世代の中で抜群にお芝居が上手いとは思わないし、むしろ若いころからあの綾瀬はるか節?のお芝居って良くも悪くも変わらないなぁと言う印象を受けるんだけど、スクリーン全体のバランスを崩さない絶妙な存在感がすごいなぁと思っていて。
圧倒的に人を引き付ける存在感って訳じゃなくて。ものすごく他の共演者や演出や台詞とのバランスが取れた存在感のある女優さんだなぁと思います。
セカチュー、あいくるしい、たっ恋あたりではちゃめちゃTVミーハーになったお年頃なので、綾瀬はるかに謎の愛着があるわたし。

このタイミングでこの作品を放送する意図がわかんないけど(同じ監督の公開予定ある?綾瀬はるか主演作控えてる?)、今日本では「好きな人・大切な人と距離を取ろう」とひたすらに言われている状況。
この作品は、ソーシャルディスタンスならぬディメンションディスタンス?(ひたすらにダサい…)を超えた愛を描いていて、大切な人との距離を感じる今だからこそこの映画の価値は更に高まるのではないかなと思った。

がっつり起承転結がある映画じゃないので何かしながら家で観るとあまり集中できない類の物語かもしれないのですが、個人的にはとてもお気に入りなので是非観て欲しいなと思っています。