ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

唐突映画レビュー/エイプリルフールズ

エイプリルフール。4月1日。
わたしの高校時代の仲良しグループの中に、4月1日生まれがいる。
4月1日と言うのは、普通に考えたら新年度の1日目であり同学年の中では1番年上であると考えるべきなんだろうけど、どうやら世の中の4月1日生まれと言うのは本来いるべき学年の1つ上に在学するのが普通らしい。だから、2015年4月1日生まれと2015年の4月2日生まれは学年が1つ違う。混乱する話だ。
わたしは5月半ばの生まれなので、4月1日生まれのその友達と1か月半違いだね♪って一瞬思っちゃうんだけど、実際は10ヶ月半も後に生まれている事になる。わたしが今一年過ごしてきた年齢に、彼女は昨日なったばかりだ。世の中間違っている!!!

まぁそんな話は映画と関係ないのでどうでもいいんだけど、昨日公開初日だった「エイプリルフールズ」をNと観て来た。公開初日でファーストデー。混まない訳がなかった。映画開始の数十分前にチケットを買っていた人は最前列の一番端しか空いてないと言われていた。舞台挨拶があるなら別だけどそうでない場合は拷問のような席だ。

面白かった!!!今年ナンバーワン!ってめちゃくちゃ推すって感じではないけど、あんまり映画館とか行かないなーみたいな人でも楽しめて、友達と行っても恋人と行っても家族と行っても(ただ桃李がセックス依存症の役で全裸とかあるから子供と観るのは気まずいかな・・・)楽しめるエンターテイメント!って感じだった。
自称映画通の人からしたらちょっと薄っぺらいと言うかあーくだらない日本の映画だなぁとか批判されちゃうのかもしれないけど、自称邦画ヲタク()のわたしの中では邦画ってこうあるべきだなぁと思うし、サスペンスやアクションなんかのジャンルはどうしてもまだ洋画に勝てない部分で、邦画としての魅力を十分に味わえる素敵な作品だったって感じた。

あくまでコメディだから、色んな伏線があってもそれが荒いと言うか全く頭の回転がよくないわたしですら序盤でこことここが繋がってこいつは多分こうなんだろうなって言う予測が出来ちゃう感じだった。伏線がぶっとすぎ。でもそれも全部見終わった後に考えるとわざとなのかもしれないと思える。
一応桃李と戸田恵梨香がダブル主演的な感じではあるんだけどその2人のエピソードを中心にいくつかのグループが同時に物語を進行させていて、オムニバスなんだけど全部の世界がなんとなく繋がっているみたいな・・説明上手く出来ないけどそんな感じ。そのグループごとの関連性の持たせ方がちょっと雑だったかなぁと思った。

ただある程度予想が出来ていても笑えたし泣けた。映像で笑えると言うかリーハイとデートの古沢さんの脚本だから音声で笑える感じ。目を閉じてても多分面白い。シチュエーションとしてはコメディにありがちな部分も多いんだけど、そのシーンに与える各登場人物の台詞がちょっと普通じゃないと言うか、古沢さんが考えた脚本って感じでわたしはたまらなく好き。特にレストランのシーンの小澤征悦やユースケサンタマリアなんかの台詞はなんてことないのにいちいち面白かった。

あと、単純に頭空っぽにして笑えると思ってたのに何度か泣けた。これが結構裏切られた感じ。ほっこりするくらいはあるとは思ってたけど普通に涙流してポロポロ泣けた。でもそれも、完全に泣かせにかかってるエピソードで、わざとらしいお涙頂戴シーンが嫌いな人はケッて思うかもしれない。でもわたしは心は純粋(自称)だからここ泣くところです!!ってあからさまにやられても結局めちゃくちゃ泣いた。見ればわかる。

これだけの登場人物が出てきて同時に色んな物語が進行するから芝居の出来ない役者集めても絶対とっ散らかるだけだったと思う。でも三谷映画さながらの豪華出演陣。何コレ。こんな有名な人をこんなちょっとしか出さないなんて許されるの?!って感じ。わたしは小池栄子とか生瀬さんとかに会場が沸いてたのがよくわからなかったけど、あの辺がリーハイ絡みなんだね。リーハイファンはわたし以上に楽しめるみたい。
主演の二人は若手実力派って位置かもしれないけど、脇を固める人たちがあまりにも豪華すぎる。個性派俳優、大御所俳優、わたしは途中任侠映画でも見てるのかなって気分にもなったし。寺島進滝藤賢一里見浩太朗あたりは本当にさすがだなぁと思った。今こうやって並べて思ったけどわたしが泣いたのこの3人が絡むシーンばっかりじゃん。特に里見浩太朗富司純子の夫婦は本当に本当に素敵で理想的な夫婦で、無理やり始まった主演2人の恋愛と対照的に描かれてて美しすぎた。若いカップルが一緒に見て響くのは多分同世代の主演2人じゃなくてあの老夫婦なんだろうなって。
あと菜々緒よかった。素敵だった。悪女の役ばっかりやってるけどあの人本当にシリアスもコミカルも上手くて素敵な女優だなぁって思う。
あと、セックス依存症のカス男を桃李にやらせようとした人が優勝。開始数分でケツ丸出しの殿が見れて、「もぉ、メス挿れちゃうぞ♪」みたいなド下ネタを言いながらベッドで女に乗っかる殿が見れて、そりゃもう、世の中の大きいお友達はチャンチャンバラですね。桃李って年々口元がダッチワイフっぽくなっていくよね。

 

で、ここまでは盛大なプロローグなんだよ。
なんでこの映画の感想を書き始めたかって、それはもう、窪田正孝と矢野聖人のパートを語る為に決まってるだろうが!!!!!!
予告の段階で矢野くんが正孝に告白してて、正孝が上半身脱ぎながら矢野くんに馬乗りになっててこれはもう観るしかないって決意したんだけど、別に本編はそれ以上もそれ以下でもなかった。予告が全てと言うか、2人の出演シーンは予告とさほど変わらないくらいの尺しかないよ。5分もないかも。・・・どういうこと?!!?
ほっこりするエピソードとかがある中、この大学生2人のパートって言うのはもちろんほっこりもうるうるもクソもなく、ただ会場に大爆笑されるだけで終わったんだけど、会場の中でわたしとNだけはホラー映画のクライマックスシーンの如く手を握り合ってガタガタと震えあがっていた。
だってあの窪田正孝が・・・今をときめく正孝が・・・ガチホモの役で・・・上半身脱ぎながら親友に馬乗りになって唇を体に這わせると言う・・・そんなシーンが全国ロードショーの映画で展開されてていいのか!?!?!でもわたしたちの興奮もつかの間、本当に一瞬しか出番なかった。2人は一瞬で会場を笑いの渦に巻き込み、わたしたちに変な汗をかかせて画面から消えた。期待させやがって!!!!責任取ってくれ!!!!
映画が終わって言い合いたい感想は山ほどあったけど、とりあえず第一声が「あの大学生2人だけのスピンオフを2時間やるべき!!!」だった。
腐女子が見ると前戯だけで本番なしでお預けくらった思春期男子みたいな顔になると思う。でも見るべきだと思う。自分が腐女子だと言う事をカミングアウトしてない彼氏や友達とも平然を装って見に行けるしおすすめ。あとあんなに可愛い正孝とあんなに男らしい矢野くんの組み合わせなのにまさかの正孝がタチって言うのがわたしの中でこの映画の一番の裏切りだった。

うん、でも上記の話を抜きにしても物凄くいい作品だった。舞台化もしやすそうだからキサラギみたいに映画後数年後に舞台化とかもありそうだと思った。その場合正孝と矢野くんの役を誰にやってもらうべきか今から考えておかないと・・・

なんか、この映画には沢山嘘が出てくるけど人を貶めたり不幸にしたりする嘘はほとんど存在しなくて、大切な人を想ってついた嘘が沢山出てきて、嘘も方便ってこーいう事なのかなぁと思った。
どんな理由があっても嘘つく人は嫌いって言う人多いけど世の中の全ての嘘が悪ではないなぁと、愛のある嘘が沢山詰まった作品だった。満足!

さて、新年度頑張りますか。