ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

世の中の不要不急は我々にとっての薬である

時事ネタに乗るのもどうだかなと思いつつも例にも漏れずどこにもお出かけ出来ないのではてなと戯れている。
わたしは横浜市民なのですが横浜の商業施設はマルイとそごうしかやっていないらしい。
だからと言って東京に繰り出す事も許されず、明日は雪が降ると言うのに暇すぎて洗濯機を回してしまった。
本でも読もうかなと思ったけど本屋も商業施設に合わせてどこもやってなくて。
ご存じの通り、わたしはもうほぼほぼヲタクではないのでコロナがどうであれ特に舞台やイベントの予定はなかったし、いつもの土日だって大して遠出したり人と会ったりはしないんだけど、買い物する場所とか映画館や本屋が閉まっている事でいよいよ一般人としての行為も許されない状況になってしまったんだなと思った。

3月上旬頃から少しずつ予定されていた舞台の中止などが決まっていったけど、もうこの週末は幕を開けている舞台を探す事の方が難しいんじゃないかな。
2~3週間前までは「やば!!○○中止になった!!!」って結構衝撃的だったんだけど、今はなんとなくついったーを眺めているだけで何かしらのイベント・舞台・ライブ中止のお知らせが公式アカから流れていて、わたしのTLにそれが流れてくると言う事は、フォロワーの誰かが必ず絶望している訳で。
ドライな事を言ってしまえば別にわたしに何か影響がある訳ではないんだけど、めちゃくちゃ名義借りてエントリーして、血眼で探してやっとチケ確保して、ホテルとか飛行機取って、新しい服買って、楽しみにしている友人たちをリアタイで見ているからこそ本当にやるせなくなってしまう。

不要不急ってなんだろう。
「必要なくて急いでない事」なのだとしたら、わたしたちにとっては舞台やイベントは不要不急ではない。
「密集した空間に人が集められる状況を防ぐ」と言う目的で中止になると言うのはもちろん理解している。
でも、わたしたちの大好きな、何物にも代える事が出来ないあのキラキラした世界を、国や世の中が「不要不急」だと区分する事を、わたしは脳みそが小5なので許容する事が出来ない。
病院に行ってもわたしたちにとっての元気になるお薬は出してもらえない。

いつだってこういう時に一番最初に自粛・犠牲になるのはエンタメ業界だ。
どんなに人類が進化してもエンターテイメントは嗜好品だし、人間が生きていく上で必要ではないものと判断される。
今回の事態については先述の通り、集団感染を生み出すリスクを減らすと言う観点で制限されるのは100歩譲って理解出来る。
でも、同じように舞台が沢山中止になった2011年3月・東日本大震災の時は、今回のような感染リスクなどがあった訳ではないのに、「東北が大変な時に首都圏では呑気に舞台なんかしていて不謹慎だ」と言う全く理解が出来ない理由で全てのエンターテイメントが抑圧された。
東日本で大変な事が起きて、日本全国で不謹慎だからって楽しい事を自粛して、経済を回さない事が何の為になったんだろうなって未だに思う。

わたしの推しは、東日本大震災の10日後に主演舞台を控えていた。
何度も言っている通り、テニスの舞台に出てたくせに大人気若手俳優☆ではなかったので主演舞台はこれが初めてだったし、めちゃくちゃ楽しみにしていた。
同じ時期の舞台がどんどん中止になって、翌月4月頭からスタートする予定だったテニスの2ndシーズンでさえ開演が確か数日?後ろ倒しになったよね。
わたしの推しの主演舞台は結局予定通り開演した。
そんなにおっきいキャパの舞台じゃなかったし勿論そんなに話題にもなっていなかったんだけど(‥‥)やっぱり、めっちゃ叩かれた。
こういう時はやっても叩かれやらなくても叩かれ、主催者ほんとに地獄だなと思う。
毎日東京でも余震がある状況で、舞台中に震度3くらいの揺れが起こって(劇場が高層階だったので)シーンが中断になった日とかもあった。照明がぐらぐら揺れていた。
それでも彼は、彼らは、千秋楽まで自分たちの役割を全うした。
千秋楽の挨拶で、「僕たちは観に来てくれている客席の皆さんに笑顔と元気を渡したので、僕たちから受け取ったパワーを是非お友達や家族に分けてあげてください。その友達がまた友達や家族に分けていったら、多分いつか日本元気になります!」と言う彼の言葉が本当に印象的だった。
いつだって能天気で頭の中お花畑の偏差値20くらいしかない人なんだけど、この時ばかりはこの能天気さにとても救われた気がした。

自粛しなきゃいけないの、わかった。
ちゃんと言う事聞きます。
だけど、わたしたちの宝物を必要のないものだと判断するのは本当に心がすり減ってしまうのでやめてください。
わたしたちが生きていく上では病院やお薬と同じです。

1日でも早く快方に向かってくれる事を祈るとともに、チケ争奪戦を勝ち抜いて、ぬい持ち歩きながらギャーギャー全国行脚しているいつも通りの友人たちに戻りますように。
わたしは5末のドリライに行く気満々だよ。