ポンコツ女の大行進

いにしえの若手俳優ヲタクの昔話

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■今までの根本宗子作品感想

月刊「根本宗子」9.5号/私の嫌いな女の名前、全部貴方に教えてあげる。 - ポンコツ女の大行進

月刊「根本宗子」第10号/もっと超越した所へ。 - ポンコツ女の大行進

月刊「根本宗子」第12号/忍者、女子高生(仮) - ポンコツ女の大行進

月刊「根本宗子」第13号/夢と希望の先 - ポンコツ女の大行進


根本宗子。
作風には賛否両論あるけどわたしは大好きな劇作家の一人だ。
同世代の女性としてあれだけのパワーを秘めた圧のある作品を10年ずっと送り続けていると言う事が本当にすごいと思っている。
(自分が好きすぎる所とかアイドルかなんかと勘違いしてるなって時期もあったけど一周周って今はそれも含めてザ人間って感じで好きです)

ここ最近、月刊根本宗子以外のプロデュース公演が増えてきて、主演がKAT-TUNの上田だったり中村倫也だったりまぁ見事にチケットが取れねぇ。
わたしはねもしゅーの作品が観たいだけなのにジャニーズのFCで先行なんてやられちゃもう歯が立たねえ。辛い。
今回は異様に余らせてる磯村のヲタクたちが沢山いたのですんなり譲ってもらえました。

たまたま行ける日が今日だったんだけど今日東京楽だったらしい。
以下ネタバレです。

※あんまり前向きなものではなくかつギャンパレのヲタクには向かない感想ですが闇雲に叩く意図はありません※

わたしが今まで観てきた(↑ブログに感想書いてる以外のものも含め10作くらいは観てます)ねもしゅー作品の中で一番面白くなかったです。
しばらく観れてなかったんだけど、こんなものだったっけ?感がすごい。
無理しなくてもいいのにな、って言う気持ちになった。
今回は初めてのねもしゅーだって人にこれがいつもの根本宗子だと思われるのもすごい悲しいし、多分磯村が連れてきた普段テレビしか観てないようなミーハーキッズたちに、舞台演劇ってこんなものかって思われるのも悲しい。
今回の作品は磯村を主演にする必要もギャンパレを出す必要性も全く感じないし、中身がないから磯村とギャンパレ出さずに無名のメンバーでやったらマジでどん滑りする中身のないお話だった。
今話題性のある磯村とパンチのある楽曲保有してるギャンパレだからこそ間が持ったようなもので、ホストと風俗嬢って言うねもしゅーがよく題材に使う設定ではあるものの、ストーリー運びはマジでいつもの二転三転するハラハラドキドキ感は全くなかった。

勿論普通のキラキラ舞台と比べたら根本さんの作品は独特だし、普通の人だと題材に選ばないようなアングラな世界を中心に展開しがちだし、セリフもかなりパンチのきいたものが多い。
今回もテレビのキラキライケメンさわやか磯村勇斗しか知らない人からしてみたら、あの磯村くんが!!!ホストの役で!!!!セックスが下手だと連呼している!!!!って興奮するかもしれない。(いや、わたしもした)。
でも今回はただセックスが下手なのがコンプレックスで客と寝ない、好きな人ともそういう雰囲気を作らないホストって言ういたってかわいらしい役で、人間としてのクズみとかは1mmもなかった。
根本さんの作り出す男キャラってそうじゃなくて、DVとかクスリとかそういうあからさまなやばい男じゃなくて、束縛やばすぎて家に彼女軟禁したり、夢追い求めて30越えてもニートしてたり、10年付き合ってる彼女いるのに他の女孕ませたり、彼女の留守中に乱交したり、妊婦の頭から水ぶっかけたり、そういうマジでドン引きするような男のオンパレードなところが魅力的(と言うのもどうかと思うけど)だと思ってる。
磯村がホスト役で出るって聞いて、どんなぞわぞわした男を演じてくれるんだろうってワクワクしてたのにただのビビりのホストかよ可愛いなこの野郎で終わった。拍子抜け。

キャラにパンチ全然ない。鳥越も結構性格いっちゃってるホストの役やってたけど普段はあんなものじゃないし、あーいう見るからにクズな男じゃなくて、冷静に思い返してみるとやばいんじゃない?みたいな隠れサイコパスみたいな登場人物に期待してたのに。

ストーリーも、ギャンパレ全員出しておいて一人一人の生い立ちって言うかどういう生き方をしてきてなんでプレイハウスで働き始めたかがわからないし、結局男に依存気味な女が何人かいたなってくらいの印象しか残らないし、あれだけ個性強いのにキャラ立ちさせてないから全然印象に残らなかった。
鳥越もただやべえやつだし栗原類も自主性のないただのふらふらした男だし、人間みある役が全然いなくて、いつもの最後は救いようがあってこれから頑張って生きていけよって背中を押したくなってしまうような役が全然なかった。
唯一ミキちゃんの心の声をやってた猫背椿さんだけはねもしゅー作品ぽい立ち位置だったなって思う。笑い取ってたのも9割あの人だし。

ミキは小さな頃から隠し事が癖。
幼稚園の頃から思っていることを周りの子みたいに正直に口に出来なかった。
そんな彼女が20歳を過ぎ、東京に出てきて出会った街は新宿、歌舞伎町。
時が経ち、引っ込み思案だった彼女がついた職業は歌舞伎町の風俗嬢だった。
幼少期からとにかくモテて、人からちやほやされることしか経験せず育った聖也。
ビジュアル系バンドの追っかけをしていた母の影響で、小学生の頃からホストのような出で立ちだった彼は、時を経て歌舞伎町一のホスト、一ノ瀬聖夜となっていた。
全く真逆だった二人の人生が運命に導かれ歌舞伎町で交差する時、ミキは人生最大の嘘をつくことになる。
ホスト、ドラック漬けのジャンキー、ホテルの掃除婦、サラリーマン、そして風俗嬢。彼らがここでしか生きられない理由とは。

え、作品の中で触れられてないエピソードいっぱいあるんですけど?
聖夜がホストになったきっかけとかナンバーワンになった経緯とか全然何も触れられてなかったんですけど。
そしてミキの人生最大の嘘って何を指してる?
事前に書かれたあらすじと本番の中身が違う舞台って本当に嫌だ。
途中でいろんな事情があって変わってしまったんだなって思うとすごい冷める。

 

なんか、業界の偉い人が期待している「旬の俳優にちょっとパンチのきいた台詞を言わせる」と言うミッションを守りつつストーリーは万人受けするように置きに来てる感がわたしはすごいがっかりだったし寂しくなった。
エッジのきいた内容でごく限られた一部にしか響かない作風よりも集客出来る方にこうやって段々作風変えていってしまうんだなって。
大きくなる為には、これで食っていく為には仕方ないんだろうけど。
ねもしゅーを責めるのもやっぱり何か違うけど。それでも、「いつものお前はこうじゃねえだろう!!!!」って叫びたくなってしまうような物足りなさを感じた。

そしてギャンパレの皆様。
ヲタクの人たちには悪いんだけどわたしはBiSとかでんぱ組とか、王道のアイドルと違った事をしてポジションを確立している人たちを「アイドル」として見れないと言うか、ハロプロみたいな、偉い人に敷かれた線路の上をしっかり歩いている、顔が可愛い人たちが好きなので、あんまり好きにはなれなかった。
個人的にはあまり顔が好みではないのと、ミスiDみたいな寒い名前もわたしは結構無理なのと、歌を歌ってる時のパワーとか圧はすごいなと思うけどダンスも歌も舞台を観る限りでは特別ずば抜けてすごいなって思う事はなかった。
アイドルが舞台に出る場合、お芝居が出来ないのは本職じゃないから仕方ないと思ってるけどせめて歌唱シーンでは感動させてほしいなと個人的には思っていて、でもギャンパレの歌唱シーンは想像の範疇を越えてはくれなかったなと言う印象。
MV観ても曲によって顔違うし、舞台と宣材も顔違うし、誰が誰だかあんまりわかってないんだけどナルハワールドとか言う合法ロリみたいな子は可愛かった。
あと在りし日の辻加護みたいな子たちも可愛かった。ばばぁはロリが好き。
声量はすごいなと思ったけど、あの人たちって歌上手いんですかね?
声がでかいだけだな、、と思ったら圧倒的な歌唱力と言う事に世の中の評価はなっているらしいのでわたしが変だという事で大丈夫です。

磯村が演じたキャラの中では最近は

御曹司ボーイズの陸様最高に大好きなので今回のキャラはちょっとだけそれに近いものがあってときめきました。
が、先ほど言った通り、折角今のりにのっている磯村勇斗様を使うんだからもっとはちゃめちゃにクソクソ男をやらせてほしかった。
今回の役はただ勇斗ガールズが磯村に惚れ直して終わるじゃん?それでいいのか?
役がひどすぎてこれから先も彼のヲタクを続けていいものか悩んでしまうようなクソ男を演じてくれる事を期待してたのでがっかりよ。
だがしかし彼自身は最高だね。存在全てが可愛い。

彼は2012年、当時ワタナベの養成所の学生で、推しが出ていた舞台でお手伝い兼アンサンブルをしていたのです。
今や当時の推しの100万倍有名になってしまいましたが、通っていたわたしは馴れ馴れしくスタッフの学生たちに声かけていたので本当によく覚えてます。
気付いたらすごい俳優になっていてびっくりした。当時の写真は大切に取っておきます。
DVD出てるので(アンサンブルだけど役もあるので)もし興味がある方がいたらお声がけください。

 

ちらっと書くつもりが結局長くなってしまった。
根本さんの気軽に観れる作品としては別冊根本宗子の「バー公演じゃないです」と言う75分で終わる女子4人だけの作品がとっても好き。
ディズニーランド好きな人に是非観て欲しい。
ねもしゅーはDVDに全然ならないのが本当に残念。情報量が多いので一回観ただけじゃ全てを咀嚼しきれないんだよなぁ。

 

今回栗原類くんが出ているので長井短ちゃんに会いたくなったよ。
やっぱり彼女は最高だね。